2026.07.10
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ねじ込み継手のPTとNPTは何が違う?海外製品を取り扱う前に知るべき国際規格の基礎知識

PTとNPTは、どちらも配管をつなぐためのねじの規格です。同じねじ込み継手でもねじ山の角度や間隔が少しずつ違うため、組み合わせることができません。PTは日本などで、NPTはアメリカなどでよく使われており、見た目がそっくりなので間違えやすいのが特徴です。海外製の機械や部品を扱うときはこの違いを知っておくと安心です。
この記事でわかること
- PTとNPTは、それぞれどんなねじなのか
- 似ているのに組み合わせられないのはなぜか
- 海外製品を扱うときに確認しておきたいこと
PTとはどんなねじ?
PTはPipe Thread(配管用のねじ)の略で、日本の工業規格(JIS)にも取り入れられているねじの規格です。国内の配管部品や機器のねじ穴にはこのPTが使われていることがほとんどです。
PTのねじ山は、先端に向かって少しずつ細くなるテーパー形状をしています。ペットボトルのキャップをイメージするとわかりやすいかもしれません。キャップを回していくとだんだんきつく締まっていくように、PTのねじも締め込むほどぴったりと密着していく仕組みになっています。

先端に向かって少しずつ細くなっているねじ。締めるほど隙間なくぴったり合わさる

太さが変わらないまっすぐなねじ。すき間を埋めるためにパッキンなどを別に使うことが多い
NPTとはどんなねじ?
NPTはNational Pipe Threadの略で、アメリカの国家規格(ANSI)で定められたねじです。アメリカで作られた機械やポンプ、エア機器などには、このNPTのねじ穴が使われていることがよくあります。
NPTもPTと同じように、先端に向かって細くなるテーパー形状で、締めるほど密着する仕組みです。ただし、ねじ山の角度が少しだけ違います。PTが55度なのに対して、NPTは60度です。角度以外にも、ねじ山の間隔(ピッチ)や高さも微妙に異なります。
| PT(テーパーねじ) | NPT | |
|---|---|---|
| よく使われる国・地域 | 日本・欧州など | アメリカなど北米 |
| ねじ山の角度 | 55度 | 60度 |
| もとになった規格 | JIS(ウィットねじの系統) | ANSI(アメリカの規格) |
| 密着のさせ方 | テーパーを締め込んで密着 | テーパーを締め込んで密着 |
角度が5度違うだけと思うかもしれませんが、ねじはとても細かい部品です。わずかな角度のズレでもうまくかみ合わなかったり、締まっているように見えて実はすき間ができていたりします。
なぜ組み合わせるとトラブルになるの?
PTとNPTは見た目がとても似ているため、同じねじだろうと思い込んで、うっかり組み合わせてしまうことがあります。しかし、角度が少し違うねじ同士を無理にねじ込むとねじ山の一部分だけがぶつかるような状態になってしまいます。
角度の違うねじ同士は、見た目にはしっかり締まっているように見えても、実はねじ山のごく一部分だけが触れ合っているだけということがあります。この状態のまま使うと、圧力がかかったときに小さなすき間から空気や液体が漏れ出したり、無理な力がかかってねじ山を傷めてしまったりすることがあります。
特に圧縮空気や油圧の配管では、ほんの少しの漏れが圧力の低下やエネルギーのムダにつながります。海外製のポンプやエア機器に国内で買った継手をそのまま取り付けてしまうとこうしたトラブルが起こりやすくなるので注意が必要です。
PTとNPT、どうやって見分けるの?
PTとNPTは見た目だけで見分けるのがとても難しいねじです。そのため、機器や継手に書かれている規格の表示を確認するのが一番確実な方法です。海外製の機械であれば、仕様書や本体のプレートにNPTや1/2 NPTといった表記があることが多いです。

表示が見つからない場合は、メーカーや購入先の販売店に問い合わせて確認するのが安心です。現場でどうしても判別したいときは、ねじゲージという専用の測定工具を使う方法もありますが、これは専門的な工具と知識が必要になるため、まずは表示の確認を優先するとよいでしょう。
海外製品を扱うときに気をつけたいこと
海外の設備や部品を輸入したり調達したりするときは、接続する継手の規格を先に確認しておくことが大切です。最近はPTとNPTをつなぐための変換アダプターという部品も販売されているので、どうしても規格の違う機器同士をつなぎたいときは、こうした専用部品を使うのが一般的な方法です。

また、ねじに巻くシールテープや液体パッキンの使い方も規格によって推奨される方法が変わることがあります。判断に迷ったときは、自己流でなんとかしようとせず、メーカーや商社などの専門家に確認するのがおすすめです。
よくある質問
PTとNPTは、力を入れて締めれば接続できますか?
角度が違うため、無理に締めるとねじ山の一部分しかかみ合わない状態になることがあります。一見つながったように見えてもすき間ができて漏れの原因になる場合があるため、専用の変換アダプターを使うなど規格に合った方法で接続することをおすすめします。
自分の設備がPTかNPTか、何を見れば分かりますか?
機器の仕様書や本体のプレートに規格の表記があることが多いです。表記が見当たらない場合は、メーカーや購入先に問い合わせて確認するのが確実です。
PTとNPT以外にも配管のねじの規格はありますか?
国や業界によって、他にも複数の規格が存在するとされています。扱う機器がどこの国のものかによって使われている規格が異なることがあるため、迷ったときは個別に確認することをおすすめします。
変換アダプターがあれば、どんな組み合わせでも接続できますか?
変換アダプターは規格の違いをつなぐための便利な部品ですが、対応できるサイズや組み合わせが決まっています。使う圧力や流体の種類によっても適したものが変わるため、条件に合った製品を選ぶ必要があります。判断が難しいときは、専門業者に相談するとよいでしょう。