2026.09.27

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圧縮空気はなぜ電気代が高い?|空気を圧縮するのにエネルギーが必要な理由

圧縮空気はなぜ電気代が高い?

圧縮空気は、コンプレッサが電気の力で空気を押し縮めてつくります。空気は押し縮めると熱くなりますが、これは使った電気の多くが熱に変わるためです。熱いままでは配管や機器に悪影響があるので、この熱は冷やして外へ捨てられます。こうして圧縮空気として役立つのは使った電気の一部だけになり、必要な量の空気をつくるには多くの電気を使うことになります。これが電気代が高くなる理由です。

この記事でわかること

  • 空気を押し縮めるのに電気が必要な理由
  • 使った電気の多くが熱として逃げる仕組み
  • 使われない空気にも電気代がかかる理由

圧縮空気は工場のどこで使われている?

圧縮空気とはコンプレッサ(空気圧縮機)で空気を吸い込み、圧力を高めた空気のことです。エアシリンダを動かす動力として使われるほか、切りくずや水分を吹き飛ばすエアブロー、塗装、バルブの開閉など工場のさまざまな場面で活躍しています。

電気や水と同じように配管で工場全体に届けられることが多く、生産を支える基盤のひとつです。手軽に使える一方で、その空気をつくるためにどれだけの電気が使われているかは意外と知られていません。

エアブローの様子

空気を押し縮めるのに電気が必要な理由

空気は目に見えない小さな粒(分子)の集まりで、粒はいつも飛び回りながら周りへ広がろうとしています。この空気を狭い空間に押し込むには、押し返してくる力に逆らって押し続けなければなりません。しかも空気は縮めるほど押し返す力が強くなるため、圧力を上げるほど大きな力が必要になります。コンプレッサはこの押し込む仕事をモーターで行っており、その動力源が電気です。

自転車の空気入れを使い続けると、ポンプの先が温かくなることがあります。これは主に空気が押し縮められて温度が上がるためです。コンプレッサの中でも同じことが起きていて、圧縮に使った力は空気を温める熱に姿を変えます。

圧縮空気ができるまで

  1. 1空気を吸い込む
  2. 2モーターの力で押し縮める
  3. 3高温・高圧の空気になる
  4. 4冷却して熱を捨てる熱は外へ
  5. 5配管へ送り出す

使った電気の多くは熱として逃げている

圧縮されて熱くなった空気は、そのままでは配管や機器に悪影響を与えます。そのためコンプレッサの中で冷やしてから送り出されますが、このとき取り除いた熱の多くは外へ捨てられています。一般的にコンプレッサに入れた電気エネルギーの大部分は、圧縮の過程で熱に変わるとされています。

つまり電気を使って空気を押し縮めても、その多くは熱として手放されます。圧縮空気として現場に届くのは一部にすぎず、配管を流れる間の圧力の低下によってさらに目減りします。圧縮空気が高いエネルギーといわれる根本的な理由はここにあります。

コンプレッサに入れた電気の行き先

電気エネルギーコンプレッサへの入力
大部分は熱として放出冷却によって外へ捨てられる
一部が圧縮空気として利用

帯の太さは割合のイメージです。実際の内訳は機種や運転条件によって変わります。

コンプレッサの排熱

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工場の電気代の2〜3割を占めるといわれる理由

コンプレッサは工場の中でも特に電気を多く使う設備で、一般的に工場全体の消費電力のおよそ2〜3割を占めるといわれています。工場によって差はありますが、照明や空調と比べても大きな割合です。

割合が大きくなるのは熱の問題に加えて使われ方にも理由があります。圧縮空気は多くの設備で共通して使われるため、生産中は長時間の連続運転になりがちです。また機種や制御方式によっては、空気をほとんど使っていない時間にも一定の電力を消費し続ける場合があります。

工場の電力消費に占めるコンプレッサの割合

 
 
その他の設備
0% 25% 50% 75% 100%
コンプレッサ(約20〜30%) 照明・空調・生産設備など

斜線部分は割合の幅を示しています。実際の割合は業種や設備構成によって異なります。

使われない空気にも電気代がかかっている

圧縮空気の電気代には、生産に使われない空気の分も含まれています。その代表がエア漏れです。圧縮空気の処理機器メーカーであるオメガエアは、漏れによる損失が供給している空気全体の25%以上に達することもあると紹介しています。漏れは設備を使っていない夜間や休日も止まらず、1日24時間、1年365日続きます。その結果として誰も空気を使っていないのにコンプレッサが何度も動き出し、電気を消費することになります。

もうひとつのムダが必要以上に高い圧力設定です。圧力を高くするほど空気を押し縮めるための力が増え、消費電力も大きくなります。一般的には設定圧力を0.1MPa下げるだけでも数%の電力削減につながるとされていますが、効果は機種や使用条件によって異なります。

供給した圧縮空気の行き先イメージ

生産で使われる空気
漏れ 25%以上

漏れが供給量の25%以上に達する場合のイメージです。漏れ量は工場によって異なります(出典:オメガエア)。

電気代を押し上げる主なムダ

ムダの種類 どんな状態か 電気代への影響
エア漏れ 継手やホースなどから空気が漏れ続けている 使われない空気まで圧縮し続けることになる
高すぎる圧力設定 使用先が必要とする以上の圧力で送っている 圧力が高いほど圧縮に必要な電力が増える
空気を使わない時間の運転 需要が少ないのに運転を続けている 機種や制御方式によっては無負荷でも電力を使う
エア漏れの測定

エア漏れや圧力設定の見直しは現状を知ることから始まります。

自社の圧縮空気設備について、まずはお気軽にご相談ください。

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圧縮空気のコストをどう捉えればよいか

空気そのものは無料なので、圧縮空気はコストが見えにくいエネルギーです。電気代を考えるときは、コンプレッサの消費電力と送り出している空気の量をセットで見ることが基本になります。同じ量の空気を少ない電力でつくれるほど効率がよく、この指標は比動力(1分間に1m³の空気をつくるのに必要な電力)と呼ばれます。

比動力=消費電力(kW)÷ 吐出空気量(m³/min)

値が小さいほど、少ない電力で空気をつくれていることを表します。

あわせて圧縮空気1m³あたりの単価を把握しておくと、エア漏れやエアブローのムダを金額で説明しやすくなります。目に見えないエネルギーを数字に置き換えることが、電気代を考える第一歩です。

よくある質問

コンプレッサの電気代はどのように計算しますか?

消費電力(kW)に運転時間(h)と電力単価(円/kWh)を掛けることで概算できます。ただし実際の消費電力は負荷の状況や制御方式によって変わるため、正確に把握するには電力の計測が必要です。

インバータ機にすると電気代は下がりますか?

インバータ機はモーターの回転数を空気の使用量に合わせて調整できるため、使用量の変動が大きい現場では効果が出やすいとされています。一方で導入費用は一定速機より高く、効果は使用条件によって異なります。

コンプレッサから出る熱は再利用できますか?

圧縮のときに生まれる熱は、温風や温水として回収して暖房や給湯の補助に使える場合があります。ただし熱を使う場所が近くにあることや、熱の需要が安定していることが前提になります。

エア漏れはどのくらい発生しているものですか?

工場によって大きく異なりますが、供給している空気の25%以上が漏れで失われることもあるとされています。小さな漏れは音で気づきにくいため、定期的な点検で状態を把握することが大切です。