2026.06.12

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ダイヤフラムポンプの選定ガイド|液質や用途に合わせた失敗しない選び方

ダイヤフラムポンプの選定ガイド

ダイヤフラムポンプの選定で最も重要なのは、送る液体の性質(液質)に合った接液材質を選ぶことです。そのうえで流量・吐出圧力、設置環境の順に条件を整理すれば、大きな失敗は避けられます。本記事では、失敗しない選定の3ステップをわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • ダイヤフラムポンプの基本的な仕組みと特長
  • 液質・流量・環境から選定する3ステップ
  • 発注前に確認すべきチェックポイント
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ダイヤフラムポンプとはどんなポンプか

ダイヤフラムポンプとは、ダイヤフラム(ゴムや樹脂でできた柔らかい膜)を往復運動させ、その容積変化で液体を吸い込み、押し出すポンプです。膜が液体と駆動部を完全に隔てるシールレス構造のため、液漏れが構造的に起こりにくいことが最大の特長です。

駆動方式には、圧縮空気で動くエア駆動式(AODD)とモーターで動く電動式があります。特にエア駆動式は、自吸(呼び水なしの吸上げ)や空運転に強く、電気を使わないため引火性液体を扱う現場でも採用しやすいタイプで、サンドパイパーなどのブランドが広く知られています。薬液、塗料、スラリー(固形粒子が混ざった液体)など、遠心ポンプでは扱いにくい液体の移送に向いています。

ダイヤフラムポンプの構造図
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液質から接液材質を決める

選定の第一歩は、送りたい液体の名称・濃度・温度を明確にし、それに耐える接液材質を選ぶことです。ここを曖昧にしたまま性能の検討に進むと、ダイヤフラムの膨潤や破損といった早期トラブルにつながります。本体はアルミ・ステンレス・ポリプロピレン・PVDFなど、ダイヤフラムはゴム系・樹脂系の多彩な材質から選べます。

ダイヤフラム材質 向いている液体の目安
ニトリルゴム(NBR) オイル・油圧作動油など油系全般
EPDM 酸・アルカリなどの水系薬液
FKM(フッ素ゴム) 溶剤・酸・高めの液温
PTFE(フッ素樹脂) 幅広い薬品(化学的にほぼ不活性)
同じ薬品でも濃度や温度で適否が変わります。最終判断は必ず各メーカーの耐食表で確認してください。
ダイヤフラムの材質
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流量・吐出圧力からサイズを決める

材質が決まったら、必要な流量と吐出圧力から口径・サイズを選びます。注意したいのは、カタログの最大吐出量は常温の清水ベースの値だという点です。実際の流量は供給エア圧、配管の長さや高低差、液体の粘度によって下がるため、性能曲線(流量・圧力・エア消費量の関係を示したグラフ)上で実条件の運転点を確認します。エア駆動式では、そのエア消費量を既設のコンプレッサが安定供給できるかもあわせて確認が必要です。

性能曲線
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設置環境と特殊条件を確認する

最後に、設置場所と使い方の条件を確認します。吸上げで使うなら自吸高さが据付条件に足りるか、防爆エリアなら電気を使わないエア駆動式が適しているか、といった観点です。またダイヤフラムポンプは構造上、吐出に脈動(流れの周期的な揺れ)が生じるため、流量を安定させたい場合はアキュムレータ(脈動を吸収する装置)の追加を検討します。

大きな固形物が混ざる液体や有害・危険性流体など条件が厳しい場合は、標準機で無理をせず、大径の固形物を通せるフラップバルブ式や、漏れを検知できる二重ダイヤフラム式など、液質に合った専用構造のモデルを選ぶことがトラブルと保全コストの削減につながります。

ダイヤフラムポンプの使用事例
QA

よくある質問

ダイヤフラムポンプと遠心ポンプ、どちらを選べばよいですか?

送る液体の性質によって判断します。薬液・スラリー・高粘度液・引火性液体など、液漏れが許されない用途や遠心ポンプでは扱いにくい液体にはダイヤフラムポンプが適しています。一方、大流量を安定して連続送液する用途や清水・低粘度液が中心であれば遠心ポンプの方が効率的な場合が多いです。

口径(サイズ)はどうやって決めればよいですか?

必要な流量と吐出圧力を整理し、メーカーの性能曲線(カタログのQ-Hグラフ)上で実条件の運転点を確認して選定します。カタログ記載の最大吐出量は常温の清水ベースの値のため、実際の液体の粘度や配管条件によって流量が下がることを考慮して、ひと回り余裕のあるサイズを選ぶのが一般的です。

エア駆動式と電動式、どちらを選ぶべきですか?

設置場所と用途によります。引火性液体を扱う防爆エリアや、自吸・空運転が想定される現場ではエア駆動式が適しています。ランニングコストや連続運転の効率を重視する場合は電動式が有利なケースもあります。既設のコンプレッサの供給能力も選定の判断材料になります。

スラリー(固形物が混ざった液体)にも使えますか?

使えますが、固形物の粒子径・比重・含有率に合ったモデルを選ぶことが重要です。標準的なボールバルブ式でも固形物に対応しますが、粒子が大きい場合や沈殿しやすいスラリーには、大径固形物を通せるフラップバルブ式や下吐出仕様のヘビィデューティモデルが適しています。