2026.06.16
- 原因と対策
- 産業用ポンプ
ポンプからいつもと違う異音・振動が! 今すぐすべき初期対応と確認ポイント

ポンプから異音や振動が出たときは、まず運転を続けてよいかを判断し、原因を絞り込むことが大切です。放置すると軸受破損や液漏れなど重大トラブルに発展することがあります。本記事では初期対応の手順と、音・振動の種類から原因を読み取るポイントを解説します。
この記事でわかること
- 異音・振動が発生したときの初期対応3ステップ
- 音の聞こえ方から原因を絞り込む方法
- 停止後・運転中にその場でできる確認ポイント
異音・振動が出たら まず何をすべきか
異音や振動が発生したとき、「まだ動いているから大丈夫」と運転を続けるのは危険です。異音が発生したまま長期間運転を続けた結果、軸受が破壊されてモーターが発火した事例も報告されています。まず以下の3ステップで初期対応を行いましょう。
生産上の制約があっても、異音・振動が急激に大きくなっている場合は速やかに停止を検討してください。「様子を見る」は最悪の対応になるケースがあります。
音の種類(金属音・水音・断続音など)、発生箇所、発生タイミングを記録しておくと原因特定が早くなります。スマートフォンで録音・録画も有効です。
流量・圧力・温度・電流値が通常と変わっていないか計器を確認してください。数値の異常は原因を絞り込む重要な手がかりになります。

音の種類から原因を読む
異音の「聞こえ方」は原因を絞り込む重要な手がかりです。以下の表を参考に、まず原因の候補を絞り込んでみてください。
| 音の特徴 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 「シャラシャラ」 「バリバリ」(断続音) |
キャビテーション(液体内に気泡が発生・消滅する現象)。吸込み側の圧力不足が主な原因 |
| 「ガラガラ」 「ゴロゴロ」(金属音) |
軸受(ベアリング)の損傷・摩耗。放置すると軸受の破壊に至るため早期対応が必要 |
| 「ドン」「ガン」 (衝撃音) |
ウォーターハンマー(液体の流れが急停止したときの衝撃)。バルブの急閉めが原因になりやすい |
| 「キーン」 (高い金属音) |
摺動部(回転する部品が接触する箇所)の接触・焼付き。グランドパッキンの締めすぎも原因のひとつ |
音の特徴はあくまで目安です。複数の原因が重なっていることもあるため、音だけで断定せず、次のセクションの確認作業とあわせて判断してください。
振動の原因として多いトラブル
回転機器の異音・異常振動の原因は7割ほどが機械的トラブルとされており、なかでも軸受系の不良による振動が最も多いとされています。軸受以外にも以下の4つが主な原因として挙げられます。
潤滑不足や異物混入により軸受が摩耗・破損。振動の最多原因。早期交換が必要
ポンプと駆動機の軸がずれている状態。カップリング部分の偏摩耗として現れやすい
吸込み側の圧力不足で気泡が発生・消滅。羽根車(インペラ)の侵食が進む
配管が特定の振動数で共鳴し振動が増幅。配管サポートの追加や脈動吸収装置で対策

その場でできる確認ポイント
停止後または安全を確保したうえでの運転中に、目視・触診・計器で確認できる項目を整理します。
- 軸を手で回してみて、引っかかり・重さ・ゴリゴリ感がないか
- カップリング(ポンプと駆動機をつなぐ継手)のゴム部品の摩耗・破損がないか
- ストレーナー(異物除去フィルター)が詰まっていないか
- グランドパッキンやメカニカルシール周辺に液漏れがないか
- 吸込み圧力・吐出圧力が通常範囲内か
- モーターの電流値が定格内か
- ポンプ・軸受箱を手のひらで触れてみて、異常な発熱がないか
よくある質問
異音がしても流量・圧力は正常です。このまま運転を続けても大丈夫ですか?
計器値が正常でも、内部で損傷が進行している可能性があります。軸受の初期損傷は性能値に影響が出る前に音として現れることが多いため、早めの点検をおすすめします。
キャビテーションが疑われる場合、まず何をすればよいですか?
吸込み側のバルブが全開になっているか、ストレーナーが詰まっていないかを最初に確認してください。吸込み側の抵抗を減らすことでキャビテーションが解消されるケースがあります。
点検しても原因がわからない場合はどうすればよいですか?
無理に原因を特定しようとするより、異音・振動の特徴(音の種類・発生箇所・発生タイミング)を記録してから専門業者に相談する方が早期解決につながります。