2026.09.17
- 改善事例
- 圧縮空気関連製品
エアブローの省エネ改善事例|パルスブロー化による圧縮空気削減

コンプレッサーは、一般的な工場の電力消費のうち約20〜25%程度を占めるといわれています。この圧縮空気を作るコンプレッサーの電力消費を減らす手段として、エアブロー工程を連続ブローからパルスブローへ切り替える改善が有効とされています。この記事では、圧縮空気の使用量を40〜50%程度削減できた改善事例をご紹介しあます。
この記事でわかること
- 圧縮空気が工場の電力消費に占める割合
- エアブロー工程で圧縮空気の消費量が多くなる理由
- パルスブロー化による省エネの考え方と、実際の改善事例
圧縮空気の無駄は目に見えず、見過ごされやすい
コンプレッサーは工場設備の中でも電力消費が大きい部類に入るとされていますが、圧縮空気そのものは目に見えないため、どの工程でどれだけ無駄に使われているかを把握しにくいという特徴があります。電気料金の明細を見てもコンプレッサー分として個別に把握できないことが多く、エアブローの無駄が放置されやすい一因になっていると考えらます。
一方で、ワークの切粉除去、洗浄後の水切り、異物除去、除電など、工場内には多くのエアブロー工程が存在します。1つ1つの工程の消費量は小さく見えても、こうした工程が積み重なることで、圧縮空気全体の使用量、ひいてはコンプレッサーの電力消費に影響を与えています。
なぜエアブロー工程は無駄が生じやすいのか
多くの現場では、装置の稼働中は常時ブローを出し続ける連続ブローや作業者が任意のタイミングで使う手動弁でのブローが採用されているとされています。こうした連続的なブローは、ワークが実際にノズル下を通過していない時間帯にも圧縮空気を噴射し続けていることが多く、圧縮空気の無駄な消費につながりやすい構造になっています。
コンプレッサーは、消費された圧縮空気量に応じて電力を使い続ける仕組みのため、エアブロー工程での無駄な噴射時間をなくすことが、そのまま電力消費の削減につながります。

改善内容:連続ブローからパルスブロー化へ
既存のエア配管にエアセービングユニットを追加し、連続ブローを間欠的なパルスブローへ切り替える方法が採用しました。
パルスブローとは、圧縮空気を短い間隔で断続的に噴射する方式です。空気を止める時間を設けながら、エアのピーク圧力を繰り返し対象物に当てることで、必要な除去性能を確保しつつ、圧縮空気の使用量削減を図ります。
製品によっては供給エアだけで作動し、電源や電気配線を必要としません。また、既存設備に後付けできるタイプもあるため、大掛かりな設備改造をせずに導入しやすい点も特長です。ただし、取り付け方法や既存の配管・ノズルを継続使用できるかどうかは、製品仕様や使用条件によって異なります。
手作業によるエアブローには、ガンタイプのパルスブロー製品も用意されています。対象物の形状や付着物の状態に応じてブロー方式を使い分けることで、作業性を保ちながらエア消費量の削減を目指せます。導入時には、実際のワークを使用して、除去性能や作業時間に問題がないかを確認することが重要です。

導入効果:削減率と投資回収の目安
エアセービングユニットの導入で以下のような結果が報告されています。
| 適用工程 | 削減率の目安 | 投資回収の目安 |
|---|---|---|
| 組立ライン ワーク搬送パレットのエアブロー | 約50% | 約10ヶ月 |
| 鋳造部品 加工洗浄後の水きりブロー | 約40% | 約9ヶ月 |
| 樹脂部品 表面研磨工程の粉塵除去 | 約42% | 約7ヶ月 |
| 機械加工 歯車洗浄後の水きりブロー | 約40% | 約6ヶ月 |
| 塗装工程 自動車ボディー クリーニングブロー | 約40% | 約3.5ヶ月 |
工程やブロー条件(使用圧力、ブロー時間、サイクルタイムなど)によって削減率や投資回収期間は異なりますが、複数の事例で40〜50%程度の圧縮空気削減が報告されており、投資回収期間はおおむね半年前後というケースが多く見られます。ただし、これらの数値は各社の運転条件に基づく参考値であり、実際の効果は設備条件によって異なる点には留意が必要です。

まとめ
- コンプレッサーは工場の電力消費の約20〜25%程度を占めるといわれ、省エネの重点対象になりやすい
- 連続ブローは、稼働中に圧縮空気を出し続けるため消費量が多くなりやすい
- パルスブロー化は、既存配管に機器を追加するだけで導入できるケースが多い
- 複数の改善事例で40〜50%程度の圧縮空気削減が報告されている
- 効果は工程条件により異なるため、自工程での試算・検証が推奨される
よくある質問
パルスブロー化すると、洗浄や除去の効果が落ちませんか?
パルスブロー化後も従来同等のブロー効果が得られることが多いです。ただし、ワークの形状や汚れの種類によって適切なブロー条件は異なるため、実際の工程で効果を確認しながら調整することが推奨されます。
電気工事は必要ですか?
電源不要で配管に接続するだけで導入できるタイプの機器もあります。設置条件によって異なるため、詳細はお問い合わせください。
どのくらいの期間で投資回収できますか?
半年前後という報告が多く見られますが、使用圧力やブロー時間、稼働時間などの条件によって変動します。一概には言えないため、自社の使用条件をもとに試算することが望ましいです。
手作業のエアブローガンにも適用できますか?
パルスブローと連続ブローを切り替えられるハンドガンタイプの製品もあり、手作業工程での省エネ対策として導入されていることもあります。