2026.09.18

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排水処理ラインの詰まりを解消し、年間コストを大幅削減した改善事例|フラップバルブによる保全の効率化

排水処理ライン向けダイヤフラムポンプ

排水移送ラインの詰まりは、多くの工場が一度は経験する悩みです。清掃のたびにラインを止め、気づけば年間の修繕費もかさんでいく。ポンプの構造を見直すだけで、その悪循環から抜け出せることがあります。ある現場の改善例から、その考え方を紹介します。

この記事でわかること

  • 排水移送で詰まりが起きやすい構造的な理由
  • 汚泥移送で一軸偏心ねじポンプが抱えやすい弱点
  • フラップ弁を備えたダイヤフラムポンプへの切り替えで得られるメリット
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「また詰まった」が続く現場

工場の排水処理ではピットに溜まった水を堰(せき)に集め、そこから凝集沈殿槽へと移送する工程があります。何気ない工程に見えますが、ここで使うポンプの構造が合っていないと現場は思った以上に疲弊します。

片側だけが動くシングルダイヤフラム構造で、吸入・吐出にボール式のチェックバルブを備えたポンプは、通過できる固形物の大きさに限りがあります。実際の現場では、1〜2週間おきにチェックバルブ周りの詰まりを手作業で取り除くことになり、その間は排水を送れずラインごと止まってしまう、ということが繰り返されていました。保全担当者からすれば、「またか」と感じる作業のひとつでした。

シングルダイヤフラムのメカニズム
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汚泥移送だとさらに手がかかる

DAF(加圧浮上分離)で発生する汚泥のように、粘度が高く気泡を含みやすい流体になると、話はもう一段厄介になります。こうした流体には、粘性のある液体に強いとされる一軸偏心ねじポンプ(ロータをステータ内で回転させて送る方式)が使われることがあります。

ただ、この方式は空気の塊が入り込むと空運転に近い状態になりやすく、ロータやステータ、メカニカルシールの摩耗が進みやすいとされています。さらにモーターとの軸芯合わせやシール交換、軸受への給脂といった保全作業も手間がかかりやすく、「粘性のある流体には強いが、日々の管理は重い」というのが実情に近いかもしれません。

詰まりや摩耗そのものより、「いつ止まるかわからない」「止まったら人手を割かれる」という不確実さが、現場の負担を大きくしている面もあります。

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詰まりやすさ・保全負荷の原因は、流体の性質やライン構成によって異なります。状況に応じた改善方法は、担当エンジニアまでお気軽にご相談ください。

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フラップバルブのダイヤフラムポンプに変えて見えた効果

こうした詰まりや保全負荷に対して、フラップバルブを備えたヘビーデューティタイプのダイヤフラムポンプへの切り替えが、有効な選択肢の一つとなりました。フラップバルブは板状の弁体が開閉する構造で、ボール式に比べて固形物や粘性の高い流体を通しやすく、数センチメートル程度の固形物を含む流体でも詰まりにくいという特長があります。

フラップバルブ

このフラップ弁の利点は、単に通しやすいだけではなく、弁体が薄い一枚板であるため可動部の摩耗が少なく、ボール弁のように球体が着座位置からずれて逆流を許してしまうような不具合も起きにくい構造になっています。また、ダイヤフラムポンプ自体がエア駆動で軸受やメカニカルシールを持たない構造のため、気泡混入による空運転にも比較的強く、DAF汚泥のように条件が安定しない流体でも運転を継続しやすいという特長があります。軸芯合わせが不要な分、設置スペースを抑えられ、日々の保全もシンプルになりやすい点も見逃せません。

ある工場では、この構造への切り替えによって清掃・部品交換・停止時間にかかっていた年間コストを大きく圧縮できたという例があります。詰まりが減れば、保全担当者が別の重要な作業に時間を割けるようになる、というのも見逃せない効果です。

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見直しを検討する際のポイント

ポンプ構造の見直しを検討する際は、まず自分たちの現場で扱う流体の性質(固形物のサイズ、粘度、気泡の混入しやすさ)を整理することが出発点になります。そのうえで、通過できる固形物のサイズや空運転への耐性など、方式ごとの構造上の特性を比較することが重要です。数値や適合条件はメーカーの仕様書によって異なるため、導入を検討する際は個別に確認することをおすすめします。

  シングルダイヤフラム+ボール弁 一軸偏心ねじポンプ フラップ弁ダイヤフラムポンプ
(ヘビーデューティ)
得意な流体 比較的清浄な液体 高粘度・固形物含有液 固形物・粘性液の両方
空運転への耐性 低い 低い(摩耗の要因) 比較的高いとされる
保全のしやすさ チェックバルブの定期清掃が必要 軸芯合わせ・シール管理が必要 構造がシンプルで作業負担が少ない傾向
QA

よくある質問

ダイヤフラムポンプはどんな現場にも導入できますか?

流体の性質や配管条件によって適合性は異なります。導入を検討する際は、扱う流体の固形物サイズや粘度、必要流量などをもとに、メーカーや専門業者に相談することをおすすめします。

フラップ弁とボール弁の違いは何ですか?

どちらもチェックバルブの方式ですが、フラップ弁は弁体が薄い板状で、固形物や粘性の高い流体でも通過させやすい構造とされています。ボール弁は比較的清浄な液体の逆流防止に向いているとされます。

ポンプを切り替えるだけでコストは下がりますか?

コスト削減効果は現場の状況(詰まりの頻度、清掃にかかる人件費、停止による機会損失など)によって異なります。一般的には、詰まりによる停止が頻発している現場ほど、構造転換による効果が大きくなる傾向があります。